河内宙夢 詩、日記

コウチヒロム 日記、詩、活動

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久しぶりに池袋へ。吉増剛三はどこかの詩の一篇に、池袋を「ペニスの街」と書いていたが。どうだろう。確かに街のそこかしこに性のにおいが充満して、すれ違う女性たちも時折ドキッとするほど挑発的な恰好や顔立ちをしている。しかしペニスという露骨な表現は今の池袋には合わないかもしれない。新宿ほどダンディズムがなくて、渋谷ほど幼さも鋭さもないって感じの印象。ペニスというより足元からつむじまでオシャレを決め込んだ女性がコンビニ袋をぶら下げた街だ。吉増氏が見た時の池袋より今のほうが、街が女性的になったのかもしれない。街、というよりも日本が女性的になったと方が正しいかも。

途中、街頭で演説をしているおばさんが居て、その声が良くてちょっと足を止めてしまった。大したこと言ってなかったから言葉には興味なかったけど、地声ではなく、わざとらしく作った様な声に惹かれた。自分の歌の参考にと、その声の研究をするべくじっと立ち止まっていたのだがなにせ人が僕くらいしかいないもんだから、途中で嬉しそうに僕に語り掛けるような演説になってしまって、僕が聞きたいのは僕に聞かせるための声ではなくもっと多数の、誰かに向けた時の声なのに!と思って、研究をあきらめてその場を去った。