河内宙夢 詩、日記

コウチヒロム 日記、詩、活動

口紅

化粧品のコーナーで、女性が、色を確かめるために口紅を手の甲になぞっている。

それはとてもセクシーな仕草だった。

一つ俺も、と口紅のコーナーへ行ってみる。

まずそのグラデーションの多さに驚く。初めての世界。化粧をする人にとって赤とは、こんなにも豊かなのか。

俺の角張った手になぞられた赤い線。

うん。セクシーかもしれない。

104番をレジに持って行く。

レジのお姉さんが手の甲を見てウェットティッシュを差し出してくれた。

大丈夫です。と断って口紅をポッケに入れた。