お昼。バイトの休憩中。コンビニの前ではしゃぐ子供と、財布片手の若い母親。
子供は母親の手を取って弾むように歩く。母親も笑っていた。
イートイン脱税しながらしばらく愛の見学をした。
こんな瞬間が自分にもあったんだなあと思いながら、サンドイッチを食べる。
バイトの帰り道、よく行く古本屋の前を通りかかると閉店セールのチラシが貼ってあった。
自転車を止めて、店じまいの片づけをしていたお兄さんに思わず、店閉まるんすか。と声をかける。
そうなんですよ。長い間ありがとうございました。とお兄さんは言った。
一年足らずしか行ってないけど思い入れのある店だった。
好きなお店が閉まるっていうのは、結構キツイ。悲しみとか怒りとか色んな感情が出てくるけど、まずお疲れさまでしたというべきなんだろう。
こんな街もう出ていこうかなとちょっと考えながら自転車を漕ぐ。
明日は人と、約束がある。