河内宙夢 詩、日記

コウチヒロム 日記、詩、活動

私の踊り子

野宮けむりさんと出会ったのは確か去年の10月頃だった。

数年前から踊り子やストリップに興味を持ち、機会があれば見に行っていた。一年半前にこっちに越してからも京都や大阪で何度かショーを観に行っていた。

どうして興味があるのか、正直自分でも良く分からない。もちろん性的な関心が最初にあった。だけど不思議と回数を重ねるうちに性的なそれとは違うものに突き動かされて、出向くようになっていた。

ゲージュツ的、ブンガク的。そんなんじゃなくて、音楽に合わせて激しく踊りながら楽しそうに踊る彼(女)等を見て、自由を感じて、とてもワクワクした。そしてどうしようもなくその身体からこぼれてしまう人生を感じた時、泣くこともあった。

またなにより会場の雰囲気が好きだった。常連のおじいさん目を凝らして。足を開いたら拍手して。こういうオジサンたちはよく見るといい靴を履いていたり、なんかお洒落だったりする。若い人ももちろん居た。チャラチャラした若者も、何か抱えてそうな若者も皆一生懸命、ステージを見ている。俺はどんな若者か。

とにかくそこにはいびつではあるが、確かに暖かさ、心地よさがあった。俺も一緒に目を凝らして、なるべく大きく拍手した。

いつしか自分の音楽で踊り子と一緒にできたら。なんてすこし生意気なことを考え始めていた。そんな時に友人が、コウチさんに合いそうな踊り子が居ますよ、と教えてくれた。

それならば、と10月の夜、京都で行われていたダンスショーのイベントを観に行った。そこで踊っていたのが野宮けむりさんだった。

けむりさんはウエディングドレスを着て登場しながら踊り、お客さんを巻き込んでその洋服を脱いでいった。歌に寄り添うように踊るけむりさんを観て、丁寧な人だなと思いつつ、このままじゃ少し退屈かもしれないなんてことも正直ちょっと考えていた。

だけど後半に入り下着姿になって、大きいロックンロールの音楽に合わせてポールダンスをし始めた時、何かが変わったのを感じた。これだ!と思った。歌の景色が広がっていくのを感じた。

その踊りはもちろんお客さんを楽しませるためで、徹底したサービス精神も感じたが、何よりも自分には、けむりさんはけむりさん自身の為に踊っているように感じた。踊ることで自分が変わることを望んでいて、それを喜んでいるような。それがとても良かった。

感動してボーとしていた俺は、慌ててチップタイムに1000円渡して、終演後CDを渡して、一緒にやりませんかと頼んだ。何を思いながら踊っているんですかとちょっと聞こうとしたけど、それは辞めた。

後日けむりさんは、CDを聴いてくれて、ちゃんと感想のメールをくれた。パンクとダンス、やりましょう。と言ってくれた。やっぱり丁寧な人だなと思った。

そこからこの企画は始まった。

踊るのは全然得意じゃない。運動神経もないし。だけど人生踊らないと歌は出来ない。

当日どうなるか。なにか再現、みたいなことは意味がない。パンクバンドと歌、ダンスが混じり合って新しい何かが見せれたらと思う。

意義とかはどうでもよくて、とにかく楽しんでもらえる夜にしようと思っている。

3/14(土)是非、観に来てほしいと思います。

 

「私の踊り子」

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