河内宙夢 詩、日記

コウチヒロム 日記、詩、活動

ハズレの猫

なぜか最近、一昨年死んだ実家の猫を思い出す。

キキというありふれた名前の猫は、当時公園で雷雨の中弱っていた子猫を小学生の俺が拾ってきたというこれまたありふれたエピソードをもつ猫だ。

確か村上春樹が猫にはアタリの猫とハズレの猫があるみたいなことエッセイで言ってたけど、うちの猫は多分ハズレの猫だった。

毛がサラサラで、高貴で、気まぐれで、品があってみたいな猫とは真逆だった。

毛はすぐ抜けるし歯が抜けてヨダレが垂れていて、ワガママで、座ったり寝てたりするとすぐに上に乗ってきて顔や手をベロベロ舐めまわしていた。誰にでも。

死にましたと親からショートメッセージが来た時はもちろんショックだった。死に目に逢えなかったのが残念だった。

話を聞くとキキがもう死にそうで横になっている時母親がつきっきりで横にいて、つい母親がテレビを夢中で見てるときにニャーと一声鳴いて息を引き取ったという。

親から来た画像は何故かgif画像みたいにちょっと動く死に顔だった。

大往生だったと思う。親も話しながら笑っていた。

もしかして死んだのが今頃だったかなと思ってメールを調べたら死んだのは3/30だった。全然違う。

また会いたいけど、もう会えないんだなと思う。

またもし猫を飼うことがあったらハズレの猫が良い。