河内宙夢 詩、日記

コウチヒロム 日記、詩、活動

この人生が偽物だとしても

結婚して1年が経つ。

お互いに今は少し離れて暮らしている。

あらゆる時に彼女が隣にいる時を想像する。その大きなお尻が、小さな口が、キレイな声が聴こえる。そしてもっと深く、ひとりになる。

初めて会ったのは京都のライブハウス。俺は振られたことについて初めて会った彼女に相談なんかしてた。

それから偶然頻繁に会うようになった。

その後警備のバイト中にデートに誘った。一度、俺が遅刻した時に、本を読みながら待ってる姿が何故だかとても綺麗で、それを見た瞬間に、この人と結婚したいと思った。遅刻に関しては結構怒られたけど。

子供が好きで、木瓜の花が好きで、aikoが好きで、ハイヒールが好きで、テレビや映画ですぐに泣く。会うたびに色々なことが俺も好きになった。

彼女といると今まで上手くできてたことができなくなる。なんとなく上手く大人になっていたはずなのに、子供に戻る。上手だったさみしいふりも、下手くそになった。本当は寂しくなんかなかったのかもしれない。

彼女との最もロマンチックだった瞬間は出会ってしばらくして友人たちと行った台湾旅行だ。

屋台を歩いてる途中に二人ではぐれて、たどり着いた先は基隆川というところ。夜は深くて少し寒かった。

コンクリートの川べりは虹色のライトで照らされて、地面には世界中の言葉で「愛してる」と書かれていた。そこを二人で歩いたり、川べりに居る異国の鳥をじっと見たりしていた。

けどロマンチックかどうかはどうでもいい。どんな出会いでも良かったと今は思う。

この人生が偽物だとしても構わない。Mがいるなら。