ボブディランを見に行った。
ずっと聴いてきたけれど、生で見たことはなかった。
チケット高くて前日まで悩んだけど、やっぱり見に行くことにした。
席は遠くて、姿はあんまり見えなかった。
黒ずくめのバンドに囲まれてグランドピアノを弾きながら淡々と歌うディランは遠くに見える亡霊のようだった。
マイクに乗ったピアノの音は安いカシオトーンのプリセットみたいな音だった。
私は眠らないようにガムを食べた。
失礼かなと思ったけど、このままじゃ眠ってしまう。
昔はよく眠る時にディランを聴いていたのを思い出した。
ライブが終わった後、友人と生ぬるい夜の有明を歩いた。
なんだったんだ。
ライブ帰りの人はみんなディランのことを語っていた。
友人とは特にディランの話をせずになんとなくお互いの近況について一杯飲みながら話して、別れた。
翌朝仕事に行って、次の日起きたら風邪をひいた。
参ったな。と思い職場に連絡をして仕事を休んだ。
改元飲んで眠りながら、少しずつディランのライブを思い出す。まだよく分かってないけど、この日を忘れることはないだろう。
詩を書いて友達に送った。