河内宙夢 詩、日記

コウチヒロム 日記、詩、活動

口紅

化粧品のコーナーで、女性が、色を確かめるために口紅を手の甲になぞっている。 それはとてもセクシーな仕草だった。 一つ俺も、と口紅のコーナーへ行ってみる。 まずそのグラデーションの多さに驚く。初めての世界。化粧をする人にとって赤とは、こんなにも…

20240305

言葉にしなければならないことが多すぎる。 俺が言葉にしたいのは、言葉にならないモノ。最近忘れてた。 誰かが人生を生きている。その周りにある風景はどんな風景か。 今日の音楽 下田逸郎 『夢から落ちて』

『ショップ・ファッション・ライフ』3行ライナーノーツ

河内宙夢&A few friends 1st album『ショップ・ファッション・ライフ』 <セルフライナーノーツ> ・前書き(アルバムについて) このバンドを結成したのは約三年前。当時京都をフラフラしていた暇そうな友だち(と兄)を誘って、バンドを組んだ。共通点はメンバ…

ママチャリと少年

ママチャリに乗って少年が通り過ぎていった。やや小太りのそいつは傍目から見たらおばさんみたいだったけど、風に吹かれてる柔らかい髪の毛と不自然なサドルの高さでそれは少年だと分かった。 そのママチャリは母親のだろう。どこへ向かうのだろうか。ふと気…

20240104

新婚旅行 ゲンズブール 母の入院 赤い郵便局 父親のジャケット メール、ライン、電話、相談、ツイッター、インスタ 結婚 バンド、バンド、歌 歌、詩、夕暮れ、天使、死、生 唇、告知 外国のハンドクリーム、のような優しさ 地震、初詣、運転、買い物、戦争 …

20231028

新しい靴を買った。17000円のナイキのエアーマックス。 今度のソロライブで履きおろすつもり。 お金はないけど、靴だけは丈夫で軽い物を履いていたい。どこまでも歩いていけるように。 10/29(日)には日出町試聴室という場所でソロライブをする。 20代前半の…

20231011

貴重な録音日。身体が重くて何もできず。 何も繋がってないエレキギターでガシャガシャ新曲を作る。 身体は重くても、歌は飛ぶ。 大きなミスが続いて落ち込む、身体だけは元気でいたいと栄養ドリンク。 ピューという風が、気持ちいい。 車で流すのはリチャー…

実感

住み始めた街で初めての夏。 郵便局員の赤いバイクがすれ違う。 公園には緑の句読点が打たれている。 この街に詩の予感はない。今のところ。 それは私の探検不足。 忙しい生活の中、作りかけの歌が腐っていく。 ただたまらなく歌いたくなった。燃やしたくな…

ディラン

ボブディランを見に行った。 ずっと聴いてきたけれど、生で見たことはなかった。 チケット高くて前日まで悩んだけど、やっぱり見に行くことにした。 席は遠くて、姿はあんまり見えなかった。 黒ずくめのバンドに囲まれてグランドピアノを弾きながら淡々と歌…

この人生が偽物だとしても

結婚して1年が経つ。 お互いに今は少し離れて暮らしている。 あらゆる時に彼女が隣にいる時を想像する。その大きなお尻が、小さな口が、キレイな声が聴こえる。そしてもっと深く、ひとりになる。 初めて会ったのは京都のライブハウス。俺は振られたことにつ…

ハズレの猫

なぜか最近、一昨年死んだ実家の猫を思い出す。 キキというありふれた名前の猫は、当時公園で雷雨の中弱っていた子猫を小学生の俺が拾ってきたというこれまたありふれたエピソードをもつ猫だ。 確か村上春樹が猫にはアタリの猫とハズレの猫があるみたいなこ…

制作日誌⑤

バンドレコーディング本番当日。朝早く起床、カロリーメイトを栄養ドリンクで流し込んで電車で大阪へ。6時間で3曲録音。ツインリバーブを使わせてもらう。音が良すぎて焦る。これじゃ色々バレてしまう。まあ既にバレてるから良いか。時間との戦いだったけど…

制作日誌4

宅録。これで4曲目。ここのところ調子が出ず作業進まず。気分転換に銭湯でサウナ。露天風呂から見えた空に飛行機雲。春。帰りにラーメン食べようと思ったが目当ての店閉まってる。代わりになか卯でカツ丼。復活して、再度録音。なんとなく方向が見えてきたと…

制作日誌3

大阪でMT交えてプリプロ。演奏を聞かせて、意見を言われて、また演奏。曲の景色が開けていく瞬間。楽しい。休憩はチョコを食べて。終わった後スタジオの休憩所でMTと事務的な話&雑談。スタジオを出たら外は雨。メンバーは鶴橋で先に焼肉を食べに行っていた。…

制作日誌②

2/13自宅でプリプロ。バンドでアルバム曲を一気に一発どり。ラインだとこのバンドは良さを出すのが難しいかも。3時間で終わらせる。疲れた。徒歩30秒の中華料理屋でメンバーとご飯。かた焼きそば、今までで一番美味くて驚愕。京都は雨。2/15プリプロ音源を夜…

ショップ・ファッション・ライフ

彼女とショッピング、結婚の準備アレコレ。歩いたりバスに乗ったり。晴れた日の休日。二人のお尻が笑ってる。街の花が似合う彼女なんだ。公園で記念写真。俺はお気に入りのジャケットとスニーカーで。家族になるというのはどういうことなんだろう。人生が、…

製作日誌①

1/21大雪の朝。京都を出て、大阪淡路の昼下がりのドトールでアルバムについて打ち合わせ。小さい机で男二人突き合わせて話をする。事が大きく進みだす。緊張して街を眺める余裕なし。面白そうな街だったけど。10年前には思いもよらなかったことが起きている…

10年前の友達

「Mが亡くなりました」久しぶりの友人から突然連絡が来た。「え、、」と声が出る。どういうことか、いまだよく分からないままその日はご飯を食べて、眠った。Mは小、中学のときの友人。俺がサッカーボールのことしか考えていなかった時の友達だ。学校は違っ…

12/4

ここ最近はあまり言葉とか文章にあまり興味が持てなくなっていた。人と会わないからだろうか。その代わり機材とおしゃべりしていた。アナログディレイ、スプリングリバーブ、リズムマシン、カセットテープMTR。中々自分の思った通りに動いてくれなかったり、…

日記

11/10 新しいバンドの準備。ソロの制作の準備。今後の色々な計画。 なんか最近忙しい。パソコンで作業ばっかしてる。なんでこんな金にならないものに対して一生懸命やってんだ俺は。と一瞬考える。金にしないと。 やりたい事が沢山ある。やらなきゃいけない…

Love&Dull

4月の完璧な午後。 散歩する犬、おっさん、おばさん、家族、カップル、川。 眼前に広がるすべてがなにか大きな秩序に従って寸分の狂いもなく動いているみたいだった。 俺もその一部になっていて、気持ちよかった。 何となく不安になって、ちょっと狂ってみよ…

美しい人々

Mちゃんと喧嘩。Mちゃんを傷つけてしまった。 夜更けの川沿いで電話をしながら。 気づいたら朝になっていた。 ばーっとノートに気持ちを書き留めた。久しぶりに歌を作った。 生きている言葉が身体を通り過ぎる感覚。 喧嘩して落ち込んだけど、この感覚が久…

私の踊り子

野宮けむりさんと出会ったのは確か去年の10月頃だった。 数年前から踊り子やストリップに興味を持ち、機会があれば見に行っていた。一年半前にこっちに越してからも京都や大阪で何度かショーを観に行っていた。 どうして興味があるのか、正直自分でも良く分…

12/6

お昼。バイトの休憩中。コンビニの前ではしゃぐ子供と、財布片手の若い母親。 子供は母親の手を取って弾むように歩く。母親も笑っていた。 イートイン脱税しながらしばらく愛の見学をした。 こんな瞬間が自分にもあったんだなあと思いながら、サンドイッチを…

記憶の残骸

「人間は何かを思い出すためにキスをしたり、歌を作ったりしたりするんじゃないですか」 この人になら、、と一瞬思い、余った時間は彼女の肩にずっともたれかかっていた。 好きとか、嫌いとか、そんなんじゃなくて。京橋のピンクサロンにて。 最近は性欲旺盛…

11/19、20

11/19 新しいバイトの研修。隣の席の65歳のおっさんと仲良くなる。 昔は豆腐屋に大豆を卸す仕事してたという。 丁寧な言葉遣いの人だった。 孫の写真、何度も見せてくれる。 奥さんの事好きですか? もう二人ではあんまり話さなけど、好きだよ。 良いっすね …

さびしんぼう

一年くらい前に、友人に勧められて家で大林宣彦監督の「さびしんぼう」を観た。 その頃は自分にまとわりつく寂しさにうんざりしていた。 なんとなくまとっていた寂しさが脱いでも脱いでも剥がれなくなって、自分がさみしさそのものになってしまいそうで。と…

恋は愛の日傘

昼間に外に出て、やりきれない気持ちを歩いてごまかそうとしていた。この時期はちょっと寒くなってからまた、夏が最後の力を振り絞るように、暑くなる。空は高く、日差しがやけに強かった。 くさくさして、喫茶店でも行こうかと歩いていたら日傘を差した女と…

7/24

あまりにも早く毎日が過ぎていく。 友人の友人の墓参りに行った。 投票にも行った。ちょっと政治の話をしすぎた。 夏は映画が見たくなる。のでたくさん見た。 大林信彦『さびしんぼう』、ギヨームブラック『女っ気なし』、黒沢清『旅の終わり、世界の始まり…

朝ちゃん

朝ちゃんという名の女の子だった 僕達は男三人鴨川でなんとなく凧揚げをしていた 良く晴れた夏の休日だった うだつの上がらない男たちの凧は一向にうまく上がらない あの頃は軽やかに舞い上がっていたのに! 悩み、不安、猜疑心、自尊心、孤独、偏見 年を取…